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大阪・生野「紫金城」 韓国&中国東北の郷土味ハイブリッド。

帰国してすぐにまた、異国の地へやってきた。
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「紫金城」
生野区・新今里にある、韓国式中華と中国東北地方の名店。
詳しくは「やっぱりおいしい大阪」をチェックしてくださいね。



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まだ明るい時間から呑むという至福。
編集者&写真家のファミリーたちと円卓を囲む
めちゃくちゃ賑やかなサタデーナイト・フィーバー。


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以前は、壁にメニューがビッシリ!という圧巻のビジュアルだったが、
最近、何かとリニューアルということで、今はブックのみ。
日本語・中国語・韓国語の3ヶ国語の表記がなされた
このメニューを眺めながら呑む、というシアワセ。

フロアには、中国語、韓国語、ベトナム語が飛び交っている。
故郷を離れた外国の方々が、常連客の多くを占める。


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酒の肴には「レバー塩茹で」
やらこい按配の酢醤油とともに。
シンプルの極み、クリアな風味がずっと響く。




■韓国式 水餃子
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店長の山本光一さん曰く
「韓国の餃子は前菜。そして、中国の餃子は主食なんです」。
皮の薄さや具のボリューム、聞けば聞くほど奥が深い。
前菜に味わうこの水餃子は、豚肉とニラ。
薄皮ゆえに、つまみながら飲める。


■インゲンの辛口炒め
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素揚げしたインゲンはサクッとはまた違う独特の食感!
噛めば甘く、ネギと生姜の風味と共に広がる
山椒オイルの香りの良さが良いね!
辛味というよりは、香りが特徴的な湖南料理の一つ。



■ナス天の辛口炒め
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これは禁断の美味しさ!!!
衣はザクカリッと香ばしく、とんろりと広がる茄子の旨みの余韻が堪らん。
カロリーなんか気にせず、食べ続けてしまう。



■牛ホルモンの麻辣和え
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これもねぇ、堪らん組合せ!
モツの風味は清々しく、しかも、麻辣の鮮烈な個性が、
主素材を引き立たせる。これ、けっこう独り占めさせていただきました。笑

この牛モツの麻辣和えは
「夫婦肺片」とも呼ばれる四川の名物料理。
毎日食べたいわ。


■ジャガイモとセロリの炒め
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塩とコショウのシンプルな味付けがナイス。
シャキシャキと食感心地よく、このジャガイモを
チュンピン(中国式クレープ)に巻いて味わうのが中国流。

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■エビ天ぷら
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エビはピュアな甘みを放つ。フリット的な軽やかさが、箸を進ませるの。



■羊肉串
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好きすぎる一品。羊の風味は思いのほか穏やか、
かつ辛味も優しく、複雑なスパイス香が広がる。
この皿はもちろん、おかわり!

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■エビチリ
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子供らが速攻食べて、気づいたらお皿は空っぽ。
よっぽど美味しかったんやろう。笑


■エビ餃子
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韓国式とは異なり、皮は程よくむっちり主食的。
エビの身がゴロリと入り食べ応えもしっかり。

ちなみに厨房では、中国の国家資格「麺点師」をもつスタッフが
麺や点心を手づくりしている。
だからラーメンも、オーダーを受けてから麺を伸ばして切るという。


■叉焼麺
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中華そば的、郷愁漂う醤油味。鶏だしと野菜の旨みが生きている。



■トウモロコシスープ
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お米でとろみをつけているそうで、
トウモロコシを用いた、スープとお粥の中間くらい。
このとろみがねぇ、五臓六腑に沁み入るのです。

そして料理に飛びつくキッズたちのおかげで
麺の箸持ち上げとか、スープをスプーンですくい撮影とかやってる余裕なし!笑



■大学芋
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揚げたて、飴絡めたてのそれを
キンキンに冷えた氷水に、ジョボンとつけて味わう。
パリンッと薄氷を割ったような飴の食感と、ホクホクねっとりとした甘い芋。
このコントラストが最強なのです。

確かこの後に、胡麻団子も頂いたっけ。
大所帯で最高に楽しい、美味しい、サタデーナイトだった。

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ここで店長の山本光一さんをご紹介させていただこう。
ちなみに、初代であるママは中国東北地方・瀋陽出身。
亡きマスターは韓国から来日した中華料理のシェフ。
そんな二人が異国の地、日本で出会い始めたのが
中国東北料理と韓国式中華の「紫金城」。

元々はこの店の常連だったという山本さんが、
彼らの店づくりを継承し、厨房のスタッフたちを束ねているのだ。

あっちの円卓、こっちの円卓を行ったり来たりされながら
ときには、郷土料理の深いエピソードを話してくれたり
飛び回る子供たちを上手にあやしながら落ち着かせたり。
つまりは、山本さんに会いに行きたくなるのです。
そして数えきれないメニューを片っ端から制覇したい!

「紫金城」
大阪市生野区新今里3-10-26
090-9058-1773
open :11:00〜23:00
close :水曜
https://tabelog.com/osaka/A2701/A270306/27035761/


# by writer-kaorin | 2023-07-14 07:30 | 紫金城 | Comments(0)  

「Taylor Shellfish Farms」@USA

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シアトルから120kmも北上すれば、そこには雄大な海絶景が広がる。
「SAMISH BAY」という名の湾、目の前には島が点在するから
瀬戸内海の小島へやってきたような感覚。
そしてここは、アメリカ西海岸屈指の、牡蠣の産地でもある。

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ウォーターフロントのドライブを経て、やって来たのは
「Taylor Shellfish Farms」
1890年創業の牡蠣のファーム。つまり養殖場でありながら、
牡蠣の直売所やオイスターバーもあり。


12時のオイスターバー開店めがけて、まぁめっちゃ行列なんですわココ。
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いろんな牡蠣の種類があり、Kumamotoとか、Shigokuとか日本の地名を冠したものも。
けっこうなプレミアム品種らしい。

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レジで、食べたい品種や、他のメニューを注文して(もちろんワインも)テラス席へ。


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ロケーション最強。小さな灯台みたいなやつは
牡蠣の殻を寄せ集めてできているらしい。

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この後、仕事が待ち構えていたので、おとなしくプロセッコ2杯だけ。


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テラス席の真横では、お兄ちゃんがカニを茹でていた。
このカニ、「Dungeness crab(ダンジネス・クラブ)」と言って
アメリカ・カナダ西海岸で、最もポピュラーなカニ。
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つい先日、バンクーバーのオイスターバーでいただいたんだけど、
肉厚の身はしっかり繊維質。溶かしバターにくぐらせて味わえば
凝縮感のある甘さが印象的だった。


さて、前菜。
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くーっ、堪らん。
「ニシンのマリネ」の甘酢加減はまぁるく、馴染みのある味わいだし
「蕪」に似た野菜は浅漬けのあっさり感。
これ「なまり節?」みたいな奥のアテは、カイエンペッパーほかスパイスまぶしで飲める。



生牡蠣がお目見え。
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手前から時計回りに、Olympia、Kumamoto、Shigoku
「Olympia」は、ワシントン州原産のオイスター。
日本のそれに比べると小粒ながら、どことなくスモーキーな風味も。

その左が「Kumamoto」。
熊本県のシカメガキと呼ばれる品種がアメリカに渡り
独自に養殖された品種らしい。小粒だけれど、旨みたっぷり!

「Shigoku」はKumamotoと比べるとグッとクリーミー。
どれも小粒ながら、身が厚く、旨みをしっかり感じた。


直売所はこんな感じ。
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Taylor社は1890年から養殖を行い、今ではワシントン州に12か所、
メキシコ、カナダにも養殖場があるそうです。スケールが違うし
何しろ、西海岸で味わう生牡蠣もカニも、そのほかの魚介も
シンプルな調理法も好みやし、ローカルなワインとのペアリングも最強なのです。
これについては追って、アツい話を聞いてください。笑

Thanks a lot, Spencer!


「Taylor Shellfish Farms」
2182 CHUCKANUT DRIVE BOW, WA 98232
open :Market 10:00〜Sunset
    Kitchen 12:00〜17:00
https://www.taylorshellfishfarms.com/
https://www.instagram.com/taylorshellfish/



# by writer-kaorin | 2023-07-09 14:11 | =旅= | Comments(0)  

「旬彩天つちや」

大阪・江坂「旬彩天つちや」へ。
待ってましたの時間。
これから始まる、店主・土阪幸彦さんならではのクリエーションに心踊るとき。


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先付は「熊本産ホワイトコーン 茶豆 塩のジュレ」
塩味(えんみ)は優しく、ホワイトコーンの清々しい風味がくっきり浮かび上がる。
あえて食感を残した茶豆の、咀嚼による味わいの広がりも、気持ちいいね。


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まずは生ビール。
一気に飲み干したいところだが、仕事の合間なので程々に。笑




■向付
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生カジキマグロは、NZからの空輸もの。
シャクッと歯触りよく、軽い漬けの旨みがじんわりと。
大分・豊後のモンゴイカはまったりねっとり。
いずれも絶妙な包丁入れが、素材らしさを際立たせている。
福井の辛味大根の、鮮烈な辛味、郷愁の味。



■八寸
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「明石だこ」は深い旨みを撒き散らす。
「寄せ南瓜」の優しい甘みに癒され
織部の器には「淡路島 太もずく」。
揚げたての「小芋まんじゅう」は小宇宙。
だしの旨みと素朴な甘みを感じつつホロリとほどけた。
そのお隣「粟麩 照り煮」は色目とは裏腹、優しいコクを感じる。

「和歌山 カツオの変わり寿司」は、シャリソースとピンクペッパーとともに。
シャリソースの意図と技について、
土阪さんにレクチャーいただきながら、美味さに唸る幸せ。
「スモークサーモンと薄焼き卵の蓮根巻き」に至るまで、緻密な仕事が随所に潜む。


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「Sancerre Domaine de Bellecours 2021」へ続く。
豊かな香りに、はぁ〜っと幸せのため息。
芳醇なオーラ、その長い余韻に浸る。


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パーテーションもマスクもなくなり、フロアに漂うのは楽しげな空気。
さて、天ぷらの愉悦に浸るとしよう。



■天草 車海老
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サクッフワッ。
甘やかな香りと、蒸されてしっとり感この上ない身質が堪らない。




■白甘鯛
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鱗サクサク香ばしく、艶やかな身とエアリーさにくびったけ!



■トウモロコシ
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打ち粉を使わず、トウモロコシを層に。
天ぷらを味わっていることを一瞬、忘れてしまうくらい
凝縮感のある甘みが迸る!
包丁の表面張力について、しかと勉強させていただいた。



■キス
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身はふっくら繊細。
そして、香ばしい骨とのコントラストが楽しい。



■帆立 貝柱
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香るインパクト。
咀嚼するたびに、上品な甘みが滲み出る。



■オクラ
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写真では伝わらない、その大きさにびっくり!
聞けば、四方に包丁をとめどなく入れ、種を粉砕している
表面は香ばしく、蒸された中は、オクラそのもの旨みが餡のような状態に。



■香住蟹
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旨みの凝縮感が半端ない。




■胡麻豆腐おかき揚げ
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香住蟹から、胡麻豆腐のこの変わらない流れが、ホッと食べ手を落ち着かせる。
あえて油切りをあまりせずして、あんにじゅわっと。
唇やけどしそうになるくらいアッツアツを頬張る至福。



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お口直しは鹿児島「キューティーキング」
緑色した果皮がめちゃ柔らかく、甘み濃厚。


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さっきまで泳いでた

■琵琶湖の稚鮎
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甘やかでピュアな苦味が押し寄せる。


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鮎(揚・焼どちらも)を味わうと、条件反射でビールを頼んでしまう。笑




■淡路の鱧
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程よく厚みのある身はぷるんぷるん。梅肉のやらこい按配が良き。




■信州アスパラガス
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穂先はポキッと小気味良い食感。大地の香りが鼻腔をくすぐる。


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根元は、穂先と比べ、温度高めの揚げ油で。
ピュアな甘みのジュが、たちまち溢れ出た。



■太刀魚
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五島列島より。ファッファ、とろける舌触りに心奪われるわ。笑



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一瞬、高麗人参??と自分の目を疑ったが、正しくは「浜防風の根っこ」!
生薬的な香りも感じるし、キャラメルのようなニュアンスも。

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■シルクスイート
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鍋底に、皮目を当て火を入れるらしい。
表面はザクッと力強く、時間をかけて蒸された身は濃密な甘みを蓄えていた。



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汲み上げ湯葉、秋田のジュンサイ、オクラ、ワサビ酢という清々しさ。
もう一巡したい気持ちになりつつ、食事へと。



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「島原そうめん」と「おいなりさん」
つるりと喉越しよく、酢橘の爽やかさが気持ちいい。
そして、おいなりさんでホッとクールダウン。最高の〆やん。



■パンナコッタ
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岐阜のブルーベリーを用いたソース、宮崎のマンゴーとともに。
最後まで、手仕事が生きていた。



変わらない味と、挑戦と。その両軸が心に響く。
喩えるなら、ビッグネームのミュージシャンのライヴだって、
新譜があれば、やっぱ変わらない名曲を聴きたいよねーって。あの感覚。
西口さん、毎度な皆さん、いつも本当にありがとうございました♪



「旬彩天つちや」
吹田市豊津町41-4
06-6338-2288
open :12:00〜15:00(13:00LO)、18:00〜22:00(20:00LO)
close:日曜、月曜の昼
http://www.shunsaiten-tsuchiya.com/



# by writer-kaorin | 2023-07-04 21:31 | 旬彩天つちや | Comments(0)  

「gucite」の酔い夜

北米出張から帰ってきました。
帰国早々の私を待ち受けていたのはー

愉快な仲間たちとの「gucite」ナイツ。
北浜は東横堀川沿いにある大好きな酒場「yacipoci」秋谷夫妻と
Meets Regional」編集長・松尾さんとの、ザ・同い年の会。
休日の酔い酔い夜。アッキー、ともさん本当にありがとう!


■木更津の水牛モッツァレラ ガスパチョ
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竹島英俊さんによる(KURKKU FIELDS)水牛モッツアレラは
いつにも増してむっちり弾力があり、さっぱりとしたミルキー感。
ガスパチョが放つ、ギュッと凝縮した夏野菜の清々しさ、ほのかな辛みが
夏を運んできた。



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「Garconne 2021 Domaine de la cure」
ガメイ種のペットナットfromボジョレー。
蒸し暑い日の黄昏酒に、サイコウ。



■〆鯖のブルスケッタ
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いつもながら見惚れてしまう…。
ピエモンテ産白カビチーズのコクが
按配やらこい〆鯖と、田舎パンを紡ぎ
サルサヴェルデの香りに、グラスを持つ手が止まんない。



■バスク豚(キントア豚)のロースト トンナートソース
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下の上でスッととろけるクリアな脂にメロメロ。
そしてお皿を舐めたいくらい旨いよね〜このソース、って盛り上がる。





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「イワシの甘酢漬け」はキュッとくる甘酸っぱさが心地よく、
Angiolino Mauleの「SASSAIA」がもうね、すいすい進んだ。
「牛タンのボリート」の風味はどこまでも清々しい。
「木下牛ミンチのカツレツ」は噛みごたえも、味の凝縮感も上々。
トマトのソースが何しろ旨い。



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名残の一品「ドイツ産ホワイトアスパラガス」
甘みだけでなく、じわっと広がる苦味がまた、質朴な甘みと香りを助長する。
あー食べてなくなるのが惜しい。それは西尾シェフが織り成す全ての皿に言えること。



■イサキ 剣先イカと雑穀のペスト・ジェノヴェーぜ
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皮目のみ軽く炙ったイサキは、香ばしさとねっとりとした旨みが同居。
驚いたのは、ジェノベーゼは目の前でバジルの葉をちぎるところから。
そんな作りたにしかない清々しい香りを纏うのは
アブルッツォ州の雑穀や剣先イカ。その発想はどこから!?って唸りっぱなし!



■ズッキーニの花 水牛リコッタ 岩魚の裏漉しスープ 
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ふぁっと軽やかな花の中には、
チーズ職人・竹島英俊さん作、水牛リコッタという愉悦。
ズッパ・ディ・ペッシェの清々しい旨みが見事なハーモニーを奏でる。



■ブルターニュ産 仔牛
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「叩いてないミラノカツレツ風」と西尾シェフ。
ピンク色した表情にニンマリしつつ頬張れば、
びっくりするくらいキメの細かな身質。
ミルキーでどこまでも初々しく、だしのような優しい旨みが広がる。



■タヤリン タコのアラビアータ リコッタの塩漬け
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タコはぶつ切りにしてフレッシュトマトなどと一緒に煮込むところから。
フレッシュかつ、深い旨みとピリ辛さが、麺に絡む。
塩漬けリコッタがめっちゃいいアクセント。
またもや「小サイズで」という注文を後悔するくらい、不動の存在感。



積もる話がありすぎて、思わずグラスが進む。
アメリカとカナダでは、クラフトビール三昧だったので、
なおさらナチュラルワインの飲みのピッチ加速。
[本日のワインたち]数本撮影し忘れ
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「Meno Rosso Colle San Massimo」
アブルッツオのロゼのしみじみとした味わいったら。カラダが蕩けてしまいそう。


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「Quarticello Le Mole」


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「SASSAIA. Angiolino Maule」


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「Riesling 2021 Pierre Frick 」


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「VALDE 2020 Oppeddentro 」


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「Pinot Noir Katz Raphael Les Vins Pirouettes 」



西尾シェフは、絶妙な間合いをもってワインを注ぎ、料理をサーブする。
しかも、ジェノベーゼなら、バジルの葉っぱをちぎり撹拌するところから。
素材の息吹をしっかりと感じさせる皿の数々を、一人で淡々と。
ワンオペという言葉が取り沙汰される前から、孤高の存在。
だからいつおじゃましても、魅了されっぱなしなのです。

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アッキー、ともさん、松尾さん。次の会合も楽しみにしてまーす♪


「gucite (グシテ)」
https://www.instagram.com/gucite_table_cave/


# by writer-kaorin | 2023-06-30 20:24 | gucite | Comments(0)  

「IBRA」のこと

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「Bec」という名をそのまま残す玄関の扉。



神戸・元町「IBRA」
市内でイタリアンを8店舗展開する瀬田亮太さんが
「Bec」を引き継ぐ形で開店したワインバーだ。2022年9月open
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「Bec」の故・岸本達哉シェフは
亡くなる直前まで、店を閉めることはなかった。
ご常連もシェフ仲間も、彼が病を抱えていたことは知らず、
昨年5月に、旅立たれた。

その後、「Bec」存続に力を尽くすことになったのが瀬田さん。
内装も、料理を盛る皿も、CDデッキもそう。
岸本シェフが、ワンオペで切り盛りしていた頃と、ほぼ変えていないらしい。



この日は「Bec」と「IBRA」のご常連、松本隆さんと一緒に伺いました。


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Champagne「Chartogne Taillet Brut Rose」でシャン杯。



▪️いちごとブッラータ
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いちごはきゅっと甘酸っぱく、
モッツァレラと生クリームのミルキーな味わいが優しく寄り添う。



▪️ホワイトアスパラガス
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ドイツ産アスパラの名残の時期に伺う。
注文を受けてから皮を剥き、その皮と共にじっくり茹でたそれはどこまでも香り高い。
ほろりとした苦味、ピュアな甘みが迸る。


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ボルドー「Château Tour de Calens Graves」と共に。
フレッシュさを感じながら、バターのようなニュアンスも。アスパラに合うわ。



▪️ジャガイモのグラタン
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「Bec」岸本シェフが出していた料理。
瀬田さんいわく「目と舌で覚えて」つくるエピソードの深い一品。
優しくて濃厚。牛乳と塩で炊いたジャガイモが、しみじみ旨い。
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「BOURGIGNE CHARDONNAY 2021 HUDELOT BAILLET」
柑橘の風味が美しい。



▪️アマトリチャーナ スパゲッティ
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潔いくらいシンプルだからこそ、心の奥底にまで響く。そんな味わい




▪️万葉牛イチボのロティ
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低温でゆっくり丁寧に焼き上げたイチボは
しっとり繊細、清々しい脂が舌を喜ばせる。
25年熟成のソース・バルサミコと共に。こちらも岸本シェフの技を継承。
ワインは繊細優美な「Rosso di Montalcino 2020 Ridolf」



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週に4日、ワンオペでカウンター内に立つ瀬田さん。そして松本隆さん。
いつも本当にありがとうございます。


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「Bec」時代の質朴なフランスの味あり、
イタリアンの店を多くやっている瀬田さんらしい
パスタ、そしてイタリアワインあり。
直球かつ素材らしさをスッと引き出した料理の数々に
ついつい、グラスを持つ手が止まらなくなる。だから、足繁く通いたくなる。




「Bec」と「IBRA」については、
6/23発売のあまから手帖7月号
特集「神戸でお逢いしましょう」をご覧ください。

「松本隆さん、ベックを語る」というコーナーの
インタビュー記事を担当させていただきました。
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心に響く味を生み出す料理人たちのことを、
いつだって応援されている松本さん。
その言葉は、愛と温もりに溢れている。

「Bec」岸本シェフ、「IBRA」瀬田さんとの
松本さんらしいエピソード、ぜひご一読くださいね。




「IBRA」
神戸市中央区中山手通4-2-2 ステイツワン1F
078-321-1817
Open :17:00〜24:00(土・日曜14:00〜)
close:月・火・水曜
https://www.instagram.com/ibra_wine/



# by writer-kaorin | 2023-06-24 13:16 | IBRA | Comments(0)